道具の手入れ

来週神戸へモルタル仕事の出張なので、久しぶりに道具の手入れをしました。

これが造形屋のモルタル用手道具一式です。全てではありません、最低限必要な物です。  特に左官屋と違うのが、細かい造り込みをするときに使うツール(右中)でしょうか。和鏝よりも少し柔軟性があるのと取っ手の付き方が特徴で、職人それぞれが好みに合わせて平たい板の部分の形を自分で加工して使います。値段は高くありませんが海外物なので何処にでもは売ってません。<(株)ギルトバンクで購入出来ます>

モルタル道具

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Benjamin Mooreにて作品展示

只今Benjamin Moore Japan様青山店内にて9月頃まで作品を展示しています。

テーマは”季節感”、タイトルは「花火」。

花火をモチーフに私の仕事の技術を用いて、様々なテクスチャ(凹凸)を付け暗めに錆びエージングを塗装した金属風の板を立体的に組み上げ全体に夜空を表現し、平面部分に花火を描きました。塗料メーカー様での展示なので、塗料を意識した表現になるようにしました。   今回は、個人としての作品というよりはSATOKEN工房として、今までにないアートと仕事の間にあり得るだろう表現を模索して製作しました。

北海道第二名水亭ホテル改修工事

3・4月に北海道伊達市の第二名水亭ホテル様において造形工事を施工しました。

今回は設計会社様からの依頼により、施主である野口観光株式会社様と直接契約という形になりました。施工まで半年弱かけて打合せを重ねましたが、その甲斐あって施主様には大変気に入って頂けて、私としても今までにない喜びを感じました。
ホテル内の子ども連れ家族向けのレストランという場所で、擬木と汽車の造形をする事により、エンターテイメント性と自然の中にいるような演出がより一層できたように思います。
擬木の仕様としては、まずは工房で発泡スチロールを削り表面にモルタルで造形し木風に塗装したものを二分割のパーツにしておきます。それを現場に輸送し、鉄骨下地に組み立てて繋ぎ目を補修しています。
さらに今回は、モルタルの上に(株)エフテック様の防火塗料を塗ってあり、消防法もクリアしています。
汽車は、DOOG様の「サウザー」という移動式ロボットに、知人に板金してもらった先頭車両(D51)を載せ、それが木工造形のトロッコを引っ張る形になっています。
D51を載せた移動式ロボットは、床に貼られたテープを認識して辿り、その後ろに引っ張られる形で料理を載せたトロッコがゆっくり走るという訳です。
これは色々な意味で挑戦でした。メーカー様も設計様も私も初めてで分らないことだらけ。時間もなく試運転は1回のみ。現場での調整で何度も手直ししました。ホテル内では日本初の試みではないでしょうか。

 

 

個人邸キャットウォーク擬木造形

先日、個人邸に擬木でキャットウォークを設置してきました。

猫をこよなく愛するお客様がホームページを見て下さり、自宅リビングの吹き抜けに猫が自由自在に歩き回れる道を擬木を使って造って貰えないかという依頼でした。

動物が歩くという事で当初は鉄筋下地で考えましたが、新築ではないため溶接は現実的に施工が困難という事で、発泡スチロールの表面にモルタルで造形という仕様になりました。これはまた初めての事なので、お客様と猫の生態を考えながら枝の角度やステップの場所などを試行錯誤し現調と仮組みを繰り返しました。難しい問題も多々ありましたが唯一無二の物が完成しました。

お客様も大変気に入って下さいましたし、猫ちゃん達も恐る恐る歩きながら次第に慣れて数分の間にはくつろぐ様子も見られました。私も飼い主様も一安心。ただ幼い子は慣れた時が怖いと飼い主様も仰っていたとおり、翌日はしゃいで落ちたりしたそうで、その後調整に伺いました。

既製品や簡単な木の棚が多い中、固定観念にとらわれず自由な発想で、自分の家や飼っている猫ちゃんに合わせたオリジナルの物が造れるのが造形の良いところです。